俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~
第六章


先生と晴れて両想い? になった日から一週間後。真宙は無事退院した。

「先生、ありがとうございました」

玄関まで見送ってくれる日比谷先生に真宙が深々と頭を下げる。すっかり元気になった真宙は、明後日から学校にも行っていいとのこと。真宙の笑顔を見ていると、あんなに心配して泣いていた日が嘘のよう。

「真宙。ちゃんと勉強しろよ」
「はい。先生もまたうちに来てくださいね。先生が来てくれたら姉ちゃんも喜びますし」

真宙がいきなりそんなことを言い出すものだから、思わず変な声が上がりそうになった。真宙に先生とのことは言っていないのに……。

というか、私たち付き合っている? 当の本人の私が、いまだに疑問を感じている。普段と何も変わらなければ、二人で出かけたこともない。

それにあの「覚悟しとけ」発言から先生は一度も家にきていない。そもそも忙しそうで来られない様子。


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