俺様ドクターの溺愛包囲網


言いかけたところで、先生の形のいい唇が角度を変えながら迫ってきた。そしてついばむようなキスをする。

柔らかくて、温かい。この前は一瞬だったからよくわからなかったけど……。

「んんっ……」

ぼんやりとそんなことを考えていると、今度は湿ったものが口内へ入ってくる。先生の舌がまるで調べるかのように、口内をあちこち探る。羞恥と緊張でどうにかなりそう。だけど気持ちいい。

不慣れながらも、気がつけば夢中で答えていて、次第に息が上がっていった。全身の力は抜け、これだけでくたくたになってしまった私を、先生は予測していたのか、背中に手をまわし支える様に抱き留めた。先生の色っぽい視線と、至近距離で交わる。

「彩、好きだ」
「……っ」

初めて名前を呼ばれ、泣きそうになる。しかもやっと聞けた「好き」の言葉に、愛しい感情がこみあげてくる。

「私も、先生が好きです」

涙声になりながら、先生にすがりつく。もっともっと近づきたい。彼とつながりたい。こんな気持ちになったのは生まれて初めて……。

「俺のものにする」

もう待ったなしと言わんばかりに再び深いキスが降り注ぐ。

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