俺様ドクターの溺愛包囲網


こんな感覚知らない。私、このままどうなっちゃうの? 怖い。けど、もっとという女の本能も働いているのも事実。

「彩、怖がるな。俺だけ見てろ」

再び名前を呼び、私の両足をぐっと持ち上げると、そのまま腰を押し当ててきた。それを見て、ハッとして声を上げた。

「あの、私……初めてで」
「わかってる。なるべく優しくする。でも、できなかったらごめん」
「え? あっ、ひゃあぁ……っ」

ぐっと引き裂くように入ってきた熱は、思いのほか熱くて――甘い痛みに、先生の腕の中で悲鳴に似た声を上げる。

「んっ、せんせ……」

額から滴る先生の汗が私の頬に落ちる。快楽でわずかにゆがむ先生の顔が愛しくてたまらなくなって、自分から先生に口づけをした。

「痛いか?」
「だ、大丈夫です」

とは言いつつも、自分の声が震えていることに気が付く。

「全部入った。お前の中、すげー熱い」
「なっ……そんな感想いりません」

組み敷かれたまま反論すれば、先生がふっと口をゆがめ笑う。こんなときまで喧嘩? あぁ、でもそれも私たちらしい。

「悪い、もう止められない」

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