俺様ドクターの溺愛包囲網
「その、朝ご飯を作ろうと思いまして。ていうか、上半身裸じゃないですか! 服を着てください!」
慌てて目を覆いながら抗議する。だが先生は何を思ったのか、私のTシャツの裾をまくると、いやらしく手を忍ばせてきた。
「だ、ダメです、朝からこんな……」
「俺のものにするって言ったろ? 俺の好きにして何が悪い」
「そ、そんな横暴な」
とはいえチラッと振り返れば、先生は優しく笑っている。なんだか、朝から甘すぎてめまいが……。
「だいたいこんな格好、反則だろ」
「え?」
キョトンとして自分の姿を見る。着るものがなにもなかったから、部屋に干してあったTシャツを勝手に拝借した。笑っちゃうくらいぶかぶかなのだが、これのどこが反則なんだろう?
「誘惑に乗ってやるよ」
「やっ、ちょ、まっ……んんっ」
首筋を先生の唇が器用に這う。それだけでぞくっとして、立っていられなくなる。しかもそれをいいことに、下着の中に指を滑り込ませてきたから、慌ててダメ―! と叫んだ。
「ま、まだ、その……!」
「あぁ、そっか。悪い」
すぐに察した先生は、申し訳なさそうに謝る。そんな先生に慌ててかぶりをふった。