俺様ドクターの溺愛包囲網
「わ、私こそ、その……不慣れですみません。面白味がない女ですよね」
先生の気持ちに応えられない自分に、嫌悪になる。こんなに求めてくれているのに……。長年恋愛をさぼってきたつけが、ここで回ってくるとは。
「お前、それ本気で言ってる?」
「え? 本気、ですけど」
キョトンと先生を見上げ真剣な顔で言うと、先生はふっと口を上げ笑った。
「俺は不慣れなお前に、撃ち抜かれっぱなしだったけど」
「えっ!」
面倒じゃなくて? 軽くパニックになっていると、そんな私に先生が「お前はこのままでいい」と言って、強引にキスを落とした。
「んっ……」
これだけで今までうだうだ考えていた思考も、あっという間に摘み取られる。先生のキスは、普段の横暴ぶりからは想像できないくらいすごく優しい。口が悪くて、そこから出てくる発言に何度も悩まされていたけど、今じゃその唇に溶かされている。脳が甘く痺れそう。
「心配しなくても、これからは嫌っていうほど、抱くつもりだから」
……えっ!
「とりあえずシャワー浴びてくる。お前はそこで安静にしてろ」
そう言い残すと先生は浴室へと入って行った。