俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~
番外編 焦れる恋情


「今日はみんなで来られてよかったわ」

墓石の前で、ホッとしたように母親がつぶやいた。彼女の提案で、今日は俺と要、そして宮永で、俺の実の母親の墓参りに来ていた。

毎年命日に、一人でこっそり来ていたのだが、まさかこんな形になるとは思いもしなかった。
母が来ていたのは気が付いていた。

だが、お互いに干渉することもそのことを口にすることもなかった。

「彩ちゃん、えらく熱心に手を合わせているね」

馴れ馴れしく宮永をちゃん付で呼ぶのは要。

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