俺様ドクターの溺愛包囲網
「ずっと俺のそばにいてほしい。お前しかいない」
初めて会ったとき、彼女とこんな風になるとは一ミリも思っていなかった。正直女は嫌いだったし、なんなら一生一人でいいとも。
それが彩と出会って、考えが180度変わり、今じゃかけがえのない存在になっている。一生、彼女を守っていきたいとも。
「これからは辛いときも、楽しいときも、嬉しいときも。俺にはその感情すべてをさらけ出してほしい。甘えて頼ってほしい」
「先生……」
「守りたいんだ。お前も、彩の背景にあるものも全部」
こんな風に思い始めたのはいつからだろう。常に元気で、強情で、負けず嫌いで。でもそれが彼女のいいところだ。
彩がいると場が明るくなる。だが時折見せる弱い部分に触れると、たちまちどうにかしてやりたい衝動にかられた。恋だの愛だのそんな不透明なもの、嫌いだった。それなのになぜだろう。今はそれが心から欲しい。永遠のものにしたいと思っている。
「……喜んで、お受けします」
その声が聞こえたのとほぼ同時に、俺は彩を抱きしめた。ホッと安堵する音が、心の奥から聞こえてきた。自分が柄にもなく緊張していたことを知る。
「大切にする、一生」