俺様ドクターの溺愛包囲網
真宙が事故にあったとき、医師であるにも関わらずひどく動揺した。それと同時にこの命をなんとしても繋ぐと。
きっとあの時から俺は彩も真宙も、自分の人生に必要な存在だと考え始めていたのだろう。真宙が大人になるまで先は長い。でも彩と一緒に、あいつの道を照らしてやりたい。例え血のつながりがなくても。義母がしたように。
「先生、ありがとう……」
「俺の深い愛がわかったか」
くだけたように言うと彩はやっと笑った。
「お茶漬けはいい。寝室に案内して」
「えっ、ひゃっ」
言いながら彩の膝をすくい上げる。
「待たせすぎだ。早くお前を抱きたくて仕方ない」
「そ、そこを出て左です」
素直に案内する彩の指示通り、奥の部屋へと突き進む。するとすぐ、こぢんまりとした部屋が現れた。
シンプルで、ほのかに甘い香がする。彩をベッドに下ろし、いまだ動揺する彩を組み敷く。
「改めて言うよ。結婚しよう、彩」
全部俺に預けろ。そして甘えろ。それが俺の望みだ。
「はい。よろしくお願いします」
涙声でそう答えた彩に、俺はそっと口づけを落とした。