俺様ドクターの溺愛包囲網


仕方なく、すみませんでしたともう一度謝り、そそくさとその場を後にした。

予定通りスーパーでたくさん買い込むと、そのまま家に帰宅した。先着二十名の卵もゲットできたし、野菜の詰め放題も頑張った。気持ちは旅行に行ったときの様にほくほくだ。

仕事終わりに何をすることが好きかと聞かれたら、間違いなくタイムセールに行くことだと答えるだろう。逆を言えば、無趣味で彼氏もいない寂しい人間ともいえるが、私はそれで満足しているし、なんの不満もない。

「ただいまー」

いつものように声をかけながら玄関を上がる。真宙はすでに帰ってきているようで、奥から「お帰り」と言う声が聞こえてきた。

「ふぅ、今日もいっぱい買っちゃったー」

エコバッグを三つさげ、リビングに入る。そんな私に真宙がすかさず近づいてきた。

「またいっぱい買い込んできたね」
「うん、安かったから」

言いながら、冷蔵庫に品物をしまっていく。真宙も手慣れた手つきで手伝ってくれる。

「あ、そうだ。講習代、おろしてきたから明日支払しておいて」

冷蔵庫内をのぞきこんだまま真宙に告げると「ほんと? ありがとう」という明るい声が聞こえてきた。


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