俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~
日比谷先生がいったいどうしたんだろう? 何か秘密でもあるというのだろうか。
「宮永さん、今度よかったら、食事でもどう?」
「わ、私ですか?」
「一度ゆっくり話をしてみたいと思ってたんだ。こんな俺じゃ嫌かな?」
「と、とんでもないです! 私でよければぜひ」
「じゃあこれ、俺の連絡先。あとで、コールしておいて」
名刺を手渡すと、先生は図書室を出て行ってしまった。どうしよう。要先生と食事だなんて。 思わずOKしちゃったけど、何を着て行けばいいの?
◇◇◇
数日後、日比谷先生は再びわが家へやってきた。
帰り支度する私に突然「夜時間ができた。あとで家に行くから」と告げてきて、大急ぎで買い出しに行ったのはつい数十分前のことだ。
本当に来るとは思わなかった。あれっきりになるんじゃないかと思っていたのに。しかも約束通り、真宙の勉強を見てあげている姿にさらに驚きが隠せない。
「問2、間違えてる」
「え? わぁ、また同じ間違いしちゃった」
「まず公式を頭にたたき込め」
相変わらずの俺様口調だが、真剣に教えてくれている。そんな二人の姿を台所からこっそり見ていた。