俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~
「あーなるほど! わかりました」
「飲み込みはいいな」
褒められて嬉しそうにしている真宙を見ているとこっちまで嬉しくなる。毎日時間に追われるあまり、真宙ときちんと話す時間があまりもてていないのが現状で、ましてや勉強や相談にのることも、最近ではできていなかった気がする。
先生が来てくれたことによって、すごく有意義な時間になっている。こんなによくしてもらってどうお礼をしていいか。ごはんを食べてもらうくらいしか思いつかない。
「ごはん、できましたー」
お盆に乗せたご飯を運びながら二人に声をかける。二人は全く同じタイミングでこっちを見るものだから、思わずクスッと笑ってしまった。
「腹へった。今日のごはん何?」
「お鍋だよ。先生も食べて帰ってくださいね」
急だったからたいしたものは用意できなかったけど、鍋なら今日みたいな寒い日にはもってこい。
「さ、食べよ」
「いただきます」
いつ見ても不思議な絵面だが、三人でテーブルを囲み手を合わせる。湯気の隙間から見える先生はわずかに笑っているようで、その笑顔を前に心がほっこりするのを感じた。
「お口に合うかわかりませんが」