俺様ドクターの溺愛包囲網


「また誘ってもいいかな?」
「えっと、その……」
「俺としては、次は恋人同士できたいけど」
「えっ?」

今、恋人って言った? つい先生を二度見する。先生はそんなあたふたする私をおかしそうに見ていた。

これはどんな冗談? からかってる?

「一生懸命仕事をする宮永さんをずっといいなって思ってた」

先生に真剣な声色に、今度は足元から固まっていく。嘘……信じられない。要先生が私と恋人になりたいだなんて。

「返事は今すぐじゃなくてもいいよ。ゆっくり考えて」
「は、はい……」

真っ赤な顔で呆然とする私にニコリと微笑んだ後、先生はまるで何事もなかったかのようにタクシーを拾っていた。まさか要先生に告白されるなんて思いもしなかった。

どうしよう……。頭が追いつかない。


◇◇◇

翌日。

あれから要先生の言葉が頭から離れなかった。食事だけのはずだったのに、まさかこんな展開になるとは思ってもみなかった。悩みすぎて、おかげで寝不足だ。

デスクに広げたお弁当を前に小さくため息を落とす。きちんと考えなくちゃとは思うけど、いろんな思いが阻んでる。

「宮永の今日の弁当、すごいな」

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