俺様ドクターの溺愛包囲網


じゃあ、さっき北海道に一緒に来ないかって言っていたのは、プライベートでついて来いっていう意味だったのだろうか? やっと意味が分かり、かぁっと体が熱くなる。

「そういえば先生が緊急オペで呼び出された夜、彼持参のお弁当を嬉しそうに食べてたって病棟の看護師が話してたんだけど、それって彩が作った?」
「えっ?」
「やっぱり。あの冷徹ドクターを笑顔にした女は誰だって、すごい噂になってたのよ」

そうか、先生嬉しそうに食べてくれたんだ。それなのにさっきはすごく怪訝な顔をしていた。どちらも、私がさせてしまったってことだよね。

「美和、私戻るね」

勢いよく立ち上がると、医局に戻るため足を踏み出した。要先生とのこと、ただ食事に行っただけだってちゃんと説明したい。要先生にも、お付き合いはできないと、きちんとお断りしよう。

「聞いてくれてありがとう」
「どういたしまして」

くすっと笑う美和にもう一度お礼を言うと、医局へと急いだ。先生はまだいるだろうか。会ったら何からどう切り出せばいいか、全然わからない。もしかしたら口もきいてもらえないかもしれない。


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