俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~
こ、この人は! 相変わらず口が悪いんだから。しかも私が一番気にしている身長のことをサラッと……。
「咄嗟に先生を守らなきゃって思ったんです。でも迷惑だったみたいですね。どうもすみませんでした。仕事が残っているので、失礼します」
つっけんどんに言い返す。まだ言い足りなかったが、これ以上は喧嘩になりそうだと判断し、その気持ちを堪えその場を後にする。だけどすぐ「宮永」と呼び止められた。
「まだなにか……って、きゃっ」
先生が強引に私の手を掴んだと思ったら、急に視界が先生の白衣でいっぱいになった。
え? 何これ? もしかして先生に抱きしめられてる……?
「あ、あの……」
「俺のせいで怖い思いさせた。悪かった」
「先生……?」
私を抱きしめる手にぎゅっと、力がこもる。思いがけないことに、全身が心臓になったみたいに、ドクドクしている。それに先生の大きいさを改めて感じる。広い肩幅に逞しい腕。厚い胸板が私をすっぽり覆ってしまっている。
「すまなかった」
「大丈夫です……怪我もしてませんし」
「いや、ちゃんと診てやる」
「え? きゃっ……!」