俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~
突然の浮遊感のあと、今度はあっという間に視界が高くなった。え? なにこれ? いったいどんな状況?
床がすごく遠い。なぜ先生の背中が目の前に!? もしかして私、先生に担がれてる?
「ちょっ、何するんですか! 降ろしてください!」
「いいから大人しくしてろ」
いったいどういうこと? 言葉が足りな過ぎて、意味がわからない!
見たこともない高い景色に身体を強張らせていると、目の前に脳外の外来が見えてきた。
「都築、いるか?」
そしてなぜか美和の名前を呼んでいた。
「はーい、なんでしょう……って、えぇー! 彩、どうしたの」
「お、お疲れー、へへ」
まさか先生に担がれたまま、美和に挨拶する羽目になるとは……。もう笑うしかない。
「ベッド空いてる?」
「どーぞどーぞ、ごゆっく」
「サンキュ」
ニヤニヤとする美和に見送られながら、奥の処置室へと入って行く。ベッドって? 不埒な想像をしていると、今度は大事そうにベッドに下ろされた。
「足を見せてみろ」
「え? ちょっ……!」
戸惑っている間にも、足を強引にとられ診察が始まる。羞恥のあまり、声がでない。