俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~
まさか素足を先生にさらすことになるなんて……!
「これ痛いか?」
「いたっ……!」
足首を軽く回され、激痛が走る。そこでようよやく、自分が怪我をしていることに気がついた。
「俺の前に立ちふさがったとき、捻っただろ」
「そうなんですか?」
「自分が捻ったかどうかも気がついてなかったのか」
「あの時は必死で……」
「無茶するからだ。あまり心配をかけるな」
先生は呆れたようにため息を吐く。そして、誰かに電話し始めた。
「脳外の日比谷だ。至急診てほしい患者がいる。あぁ、そう。頼むな」
誰かにお願いをすると、先生は無愛想な顔でその場を立ち上がる。
「整形に連絡しておいたから、ここで診てもらえ」
「……わかりました」
こういうことなら、先に言ってくれたらいいのに。それにしても、あんな状況下でよく私が足を捻ったことに気がついたものだ。
どれだけ冷静だったんだろう。いや、私がパニックになりすぎていたのか。現に今の今まで痛みに気づいてなかったわけだ。それにしてもついてない。怪我をしてしまうなんて。レントゲンとか撮ったらいくらかかるんだろう。