俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~

焦ったように身振り手振りで言うものだから、真宙が不思議そうな目で見ている。おそらく顔はまだ真っ赤だ。

「ほら、先生めったに来れないんだし」
「なにそんなに必死になってるの」

ギクッ……。

「もう友達と約束しちゃったし。勉強はまた今度教えてもらうよ」
「え、でも……!」

必死に止めるも、真宙はてきぱきと荷造りすると、あっという間にまた出て行ってしまった。

「真宙のやつー!」

どんだけ姉ちゃん不幸なの!

「なに一人で喚いてんだよ」

思わずその場に崩れ落ちると、そこに先生が現れ全身でビクッとする。けれど、そんな私に反し、先生はいつもと変わらない様子。

どうして先生はそんな涼しい顔をしているんですか。さっき、キス、しようとしてましたよね。どういうつもりですか?

なんて聞くこともできず、「なんでもありません」とだけ言って、キッチンへと戻った。人をこんなに戸惑わせておいて、自分だけ平然としてるなんて。先生が何を考えているのか、全然わからない……!

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