俺様外科医の溺愛包囲網~嫌われていたはずが甘く迫られています~

言い方はぶっきらぼうだけど、やっぱり先生は心優しい。彼らしい優しさに触れる度、心が温かくなるのを感じる。

「ほら、早く行くぞ」
「はい」

玄関で手招く先生に急かされ、二人で家を出た。

いつも利用する近くのコンビニ着くと、さっそくソースを探す。調味料の棚に一直線に向かうと、目当てのものはすぐに見つかった。

「ありましたよ、先生……って、あれ?」

言いながら振り返れば、さっきまで後ろにいたはずの先生はいつの間にか消えていた。どこに行ったんだろうとキョロキョロと視線を彷徨わせれば、意外なところを物色していて驚いた。デザートコーナーにいたのだ。めちゃくちゃ意外だ。しかも眉間に皺を寄せ、真剣に選んでいる。なんだか可愛い。

「買うんですか?」

そんな先生に声をかければ、腰を折ったまま私に視線を移す。

「先生もコンビニのスイーツ、食べるんですね」
「たまにな」
「前から思っていましたけど、日比谷先生は庶民的ですよね」

なんとなく口から出た言葉だった。けれど、先生は気に食わなかったのか、ムッとした様子で眉根を寄せる。そして、低い声で言った。

「それは、あいつと比べてるのか?」

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