俺様ドクターの溺愛包囲網
一番安い日替わりプレートを頼み、食べ終えたころで美和に、先生が好きみたい、と打ち明けたというわけだ。
「付き合えばいいじゃん。日比谷先生も、彩のことが好きだと思うけど」
「う、嘘だ!」
思わず前のめりになる。
「何今更驚いているのよ。誰が聞いてもそう言うでしょ。よく家に来るわ、要先生に敵意むき出しだわ、なにかと助けてくれるわ。もうそれ以外ないじゃん」
断言する美和に、首をひねる。確かに、今まで意味深な言葉はたくさんあった。でも、それが果たして私が好きだからという理由からなのか……。恋愛初心者の私には判別ができない。
昨日の「頼れ」発言も、ただの同僚としての立場で言ったものじゃないかと、あの後冷静になって思った。
「あーもうじれったいわね。うだうだ悩んでないで、今度家に来た時、さっさと押し倒しちゃいなさいよ」
「なっ、なんてことを!」
しかもまだ昼間! 恋愛上級者の発言は恐ろしすぎる! 私なんて聞いただけであわあわしているというのに。
「とにかく、さっさと形だけでもどうにかしないと、手遅れになるよ」
「手遅れって、そんな大げさな」
急に真剣な顔つきになった美和を笑い飛ばす。