一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
*天地くんは噂の不良



桜が綺麗なピンク色の花を咲かせ、心地よい春の風に揺られて花びらがひらひらと舞う季節。


高校2年生となった私、相沢(あいざわ) 瑠莉(るり)は短い春休み明けの高校に来ていた。


まだシワのない制服を身にまとう新入生の姿を見て、去年の私たちはあんな感じだったのかなと懐かしい気持ちになる。



「瑠莉〜!」


「おはよう!なんか、すごく久しぶりな感じ……」



最後に登校した日からまだ2週間も経たないくらいなのに。



「私も早く瑠莉に会いたくて仕方なかったよ」



そう話すのは、私の中学から仲良しの親友、熊元(くまもと) 友香(ともか)ちゃん。


歩く度に揺れるポニーテールがトレードマークで、とにかく明るく、頼りがいのあるお姉さん的存在だ。


そしてモデルのようにスラリと伸びた身長と体型、そして誰もが頷くほど美人な顔立ち。


身長が149cmしかない低身長の私にとって、すごく羨ましい。


せめて1cmでいいから分けてくれないかと、何度思ったことか。



「ねえっ!早くクラス表見に行こうよ!」



そう、私たちの高校では1年生と2年生の間のタイミングでクラス替えがある。


友香ちゃんと同じ高校に入学することができて、おまけに1年生のクラスも一緒で、ずっとクラス替えなんてなければ良かったのにと思うけれど、こればかりは避けることもできず仕方がない。



「見るの怖いなぁ……」



中学生の時も3年間同じクラスだったこともあって、友香ちゃんのいない教室なんて考えられない。


まだ別々のクラスと決まってもいないのに、頭の中は不安でいっぱいになっていた。



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