一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
*琥珀くんのお誘い
「んぅ……」
スマホの着信音が鳴った。
その音で目を覚ます。
「……もしもし」
「あっ、瑠莉!……さては寝起きだな?」
「うん、おはよー」
「もう、寝すぎだよ。今何時か知ってるー?」
そうスマホ越しに言われた友香ちゃんの声で、やっと時計に視線を向けて、目が覚めた。
「もう12時!?」
「そうだよ!お昼!!」
昨日も漫画に夢中になってて夜更かししちゃったからなぁ。
最近好きな漫画の新刊が出て、最初から読み直していた。
本当に面白くて読む手が止まらなくて。
気づいたらいつも夜中の2時、3時になっていることなんてざらにある。
こんなぐうたらしていられるのも、今は夏休みだから。
「友香ちゃんどうかしたの?」
突然の友香ちゃんからの電話。
いつも文字でのやり取りの方が多いから、急に電話してくるなんて、余程緊急の用事なんだろう。
「そうなの!今緊急事態でどうしても頼みたいことがあって───」