一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
.
アルバイトの助っ人は1日だけじゃなく、夏休み期間週に2日くらいで入ることになった。
今日でもう3回目。
難しいことも無く、下げられてきたお皿を洗って片付けるだけ。
要領が良さそうだからと、デザートの盛り付けも任されることになった。
見本通りに飾りつけるだけだし、そこそこ器用な私には難なくマスターすることができた。
最初の2回は友香ちゃんと一緒のシフトで、いろいろと考慮してくれていたみたいだけれど、どうしても入ることができず、今日は友香ちゃんが居ない日。
このレストランで働いている人たちは本当にいい人ばかりだけれど、友香ちゃんが居ないのはやっぱり心細い。
「瑠莉ちゃん、いちごパフェとチョコバナナパフェお願い」
「はーい」
忙しいお昼の時間が終わり、15時頃。
おやつ時の時間は、よくパフェが出る。
お昼は皿洗いばかりしているけれど、この時間からはデザート作りが私のメインの仕事。
今日は私と同年代の子が多く来ていて、デザートの注文が多くて大忙し。
できたと思えば、すぐにまた違う注文が入る。
せこせことパフェを作っていると、何やらホールの方がザワついていることに気がついた。
「……どうしたんですか?」
気になってホール担当の先輩に声をかけてみると、ある席を指さして教えてくれた。
「ほら、あの席の人」
「ちょっと怖くない?オーダー取りに行くのも怖いんだけど……」
指先の方を見ると、何やら見覚えのあるシルエットが映った。
金髪にキラリと光る左耳のピアス。
あれはどう見ても琥珀くんだ。
「……こ、琥珀くんっ!?」
なんでここに……
レストランと言ってもちょっとオシャレなカフェみたいなお店で、そもそも男の子ガ1人で来るようなお店じゃないのに。
「うそ、瑠莉ちゃん、もしかしてあの人と知り合い?」
「はい、高校の同級生でクラスも一緒で……っ!?」
「じゃあお願い!!」
先輩にギュッと両手を掴まれる。
「オーダー取ってきてくれないかな?」
そう懇願された。