一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを


ホール担当はしないという約束でアルバイトの手伝いを引き受けたから、ホールでの注文の取り方なんてわからない。



「私、わからないのでできませんよ!」


「大丈夫!いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですか?って聞くだけだから!」


「そうそう、同級生なら話しやすいでしょ?」



先輩2人に諭されて、何故か私が注文を取りに行くことになってしまった。


注文用紙とペンを片手に、ゆっくり琥珀くんに近づいていく。



「琥珀くん」



恐る恐る名前を呼ぶと、琥珀くんはゆっくりと振り返った。



「よお、瑠莉。いや、なんでホール来てんの?厨房担当だって言ってなかったっけ」



琥珀くんとは夏休みに入ってから何度かメッセージアプリでやり取りしていた。


その時に友香ちゃんのアルバイト先で手伝いに入ることになったことを琥珀くんにも伝えていた。



「……ちょっといろいろあって」



ホール担当の先輩が怖がって……というのは伏せることにした。




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