一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



「すみませーん!」



呼ばれたのは2回目。


もう無視をするわけにはいかない。


距離を保てば大丈夫。


琥珀くんの時と同じように注文すれば大丈夫。


そう自分に言い聞かせて、注文票を片手にそのテーブルへと向かった。



「お呼びでしょうか?」


「注文いいっすか?」


「はい」



話し方がチャラい。


私の特に苦手なタイプ。


でも来てしまったからには最後までやり遂げなきゃ。


店長や先輩にも迷惑をかけてしまう。


聞いたことを注文票に記入していく。



「ご注文を確認させていただきます」



あと少し、大丈夫。



「───それでは、失礼します」



何とかその場をやり過ごすことができて、安堵しながら帰ろうとした時だった。



「ねぇ」



再度、2人組に声をかけられた。




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