一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「お世話になりました」
玄関先でお別れの挨拶をする。
たった1日いただけなのになんだかお別れが寂しい。
施設の子どもたちが見送りに来てくれた。
「瑠莉お姉ちゃんに聞きたいことがあるの」
咲希ちゃんと違う女の子が私たちの元に駆け寄ってきた。
目線を合わせるようにしゃがみこむ。
「なあに?」
質問にはちゃんと答えてあげたい。
「瑠莉お姉ちゃんは琥珀お兄ちゃんのカノジョ?」
一瞬時が止まったかと思った。
だってまさか。
小学1年生くらいの女の子からそんな質問されるなんて思わないじゃない。
一緒にお見送りに来てくれていた職員さんたちは、あらあらまああとおばさんのような反応をしていた。
「そ、そんなんじゃないよ!お、お友達……かな?」
多分、今の琥珀くんとの関係はこれが正解なはず。
だって、私たち付き合ってないよね。
戸惑いつつ琥珀くんの方を見てみると、すました表情。
否定してよと思いつつも、否定されないことに安心している自分もいた。