一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



施設に別れを告げて、帰り道。



「今日はありがとう」


「こちらこそ。琥珀くんの大切な場所に連れてきてもらえてよかったよ!すごく楽しかった」



施設で暮らす子どもたちも、働く職員さんたちも、すごくいい人ばかりで、この気持ちに嘘はない。


何よりも、みんなの知らない琥珀くんの姿を見ることができて、嬉しかった。


琥珀くんは本当に面倒見が良くて、子どもたちと一緒に無邪気に遊ぶ姿が印象的だった。


そんな姿、私しか知らないでしょう?


誰と比べているわけでもないのに、優越感に浸る。


それくらい嬉しかった。



「あっ……」



施設を出てすぐにある掲示板。


“夏祭り”と大きく書かれたポスターが掲示されていた。


屋台が描かれていて、その上には夜空一面を占める花火。


……楽しそう。




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