一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



「じゃあ瑠莉、また明日ね!」


「あ、うん!また明日!」



いつの間にか会話が終わっていたみたいで、友香ちゃんは先に行ってしまった。



「よし、帰ろうか」


「うん」



もう見慣れた帰り道。


家は、最寄り駅から2駅先のところ。



「今年も友香ちゃんと同じクラスで良かったな!友香ちゃんがいてくれて兄ちゃんも安心だよ」


「うん、私も安心した」



私から友香ちゃんと同じクラスになれたことを健兄には伝えていない。


きっとさっき友香ちゃんから直接聞いたんだろう。


ここ数日ずっと友香ちゃんとクラスが離れたらどうしようと不安を家で口にしていたから、健兄も気にしていたのかもしれない。



「でも、なんか嫌なこととか怖いことがあったらすぐ兄ちゃんに言えよ?すぐに助けてやるから」



これは健兄の決まり文句。


あの事件の日、迎えに来てくれた時も。


ショックで休んでいた学校に久しぶりに登校する時も、高校に入学する時にだって。


もう何度この言葉を聞いたかわからない。



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