一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
我が家は、いろいろあって父親が居ない母子家庭。
健兄は居ない父親の代わりに私たちを支えてくれていた。
だから、その責任感みたいなものもあるんだと思うけれど。
「本当、健兄は過保護なんだから。もう私も高校2年生だよ?だから大丈夫だし、このお迎えだって。私は1人でも大丈夫だよ?」
ちょうどいいタイミングじゃないかと、思っていたことを打ち明けてみることにした。
ほぼ毎日一緒にしてくれている登下校。
まだ怖さはあるけれど、だいぶ克服してきたと自分では思っている。
ほら、こうしてちゃんと学校にも通えているし。
だから、もう1人でも大丈夫。
「兄ちゃんは心配なの。俺の好きでやってることだからさ」
「でも本当に大丈夫!ほら、健兄が来るとみんなから注目されちゃうから……」
私が手を合わせてお願いすると、健兄はしばらく頭を抱えていた。
「そんなに言うなら瑠莉を信じるよ」
「ありがとう、健兄!」
健兄はかなり渋っていたけれど、なんとか説得することができたのか、最終的には折れてくれた。