一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



何かを話しているように見えるけれど……


愛里ちゃんと天地くんに接点はないよね?


クラスも違うし。


一体何をしているんだろう。


気になって、恐る恐る顔を出して様子を探る。



「あれって……」



少し離れていて表情ははっきり見えないし、会話も全く聞こえては来ないけれど、私には愛里ちゃんが怯えているように見えた。


それを見て、嫌な予感が頭をよぎる。


まさか、天地くんが嫌がらせを……


そう思った私は居ても立ってもいられなくなり、気づけば天地くんの目の前に立ちはだかっていた。


男の子は怖いはずなのに。


その気持ちの通り、怖くて手足が震えている。


男の子とだって今は、話すのがやっと。


それなのによりによって不良と恐れられている天地くんの目の前に立っているなんて。


怖くて怖くてたまらない。


でも、今は自分自身のことよりも、優しい愛里ちゃんのことを見捨てることの方ができなかった。



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