一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



「はっ、はぁっ……愛里ちゃん、大丈夫?」



天地くんの姿が見えないところまで走って逃げてきて、呼吸を整えながら問いかける。



「うん、ありがとう瑠莉ちゃん」



愛里ちゃんも安心したのか、さっきまでの怯えた表情はどこかへ消えて、優しい笑顔を見せてくれた。


それを見て私も安心する。



「さっき、何があったの?」



私からは何もわからなかったから。



「あの、実はね……」



愛里ちゃんの話を聞いて、驚いた。


その話はまさかの出来事だったから。



「助けて、くれたの?」


「うん。でもやっぱりちょっと怖くて……瑠莉ちゃんがいてくれてよかった!」



愛里ちゃんから聞いた話によると、日直当番だった愛里ちゃんが先生に提出するプリントをクラス分を持って職員室へ向かう途中、空いていた窓から風が吹き付けて、プリントが廊下の床に散らばってしまったらしい。


そこにちょうど天地くんが居合わせて、無言で拾ってくれたんだとか。


私が聞いていた天地くんの噂とは真逆の行動だった。



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