一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「本当ごめんっ!」
お昼休み。
授業が終わってすぐに私のところへやって来て、顔の前で手を合わせながら頭を下げた友香ちゃん。
「ど、どうしたの!?」
友香ちゃんに謝られるようなことをされた記憶なんてなくて、戸惑ってしまう。
だって、ついさっきまでいつも通り仲良くお話してたんだから。
特に喧嘩をした覚えもない。
「昼休みは先生に呼ばれてて…手伝ってあげられないから」
「全然!日直は私の仕事だし、気にしないで!」
てっきりもっと大変なことがあったのかと……
何か謝らせてしまうようなことを気付かぬうちにしてしまったのかと思っていたから、安心してほっと胸をなでおろした。
むしろ友香ちゃんに手伝ってもらってることの方が違うんだから。
私は笑って友香ちゃんを送り出した。
「もし遅くなっちゃったら先にお弁当食べててね!」
「うん、わかったよ。行ってらっしゃい」
友香ちゃんが行ってしまったのを確認してから立ち上がった。
もう板書してる人はいないよね?
キョロキョロと教室の中を確認してみるけれど、もう黒板を見ている人はいなさそうだ。
制服にチョークの粉がついてしまわないように少しだけ袖をまくって、黒板消しを手にした。