一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



黒板を綺麗にするには、少しだけ力を入れて押し付けながら消していくのがコツ。


同じ方向に消す方がより見た目が綺麗になる。


……っていうのはわかってはいるんだけど。



「うーんっ!」



腕を全力で伸ばしても、背伸びをしても、届かないものは届かない。


綺麗にするどころか、消すこともできてない。


友香ちゃんには大丈夫だと言ったものの、このまま放置することもできず。



……どうしよう、届かない。



腕も足も疲れて、一度体の位置を戻してふぅーと息を吐く。


申し訳ないけれど、友香ちゃんが戻ってきたらお願いするしかないのかも。


諦めて黒板消しを置こうとした時、手に持ってたはずの黒板消しが突然スッと消えた。


私から奪っていったのは誰?


いや、そんなの友香ちゃんしかいないよね。



「早かったね、友香ちゃん。おかえ……りっ!?」



友香ちゃんが思ったよりも早く戻ってきたのだと思い込んで振り返ると、そこにいたのは友香ちゃんではなかった。


背が高く、着崩された制服が目に映る。



「あ、天地くん……っ」




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