一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「これでいいの?」
再び私の方へと視線が戻ってきたのを感じ、それと同時にぶっきらぼうな声でそう問いかけられた。
多分、黒板のことを言ってるんだよね?
「う、うん……ありがとう」
天地くんは怖い。
でも、お礼はちゃんと言わないといけない。
震える声で、私はお礼を伝えた。
「あぁ、別に。っていうか、俺も日直だし」
この前、天地くんは愛里ちゃんを脅しているように見えて、本当は助けてくれていたのだと知った。
今日も威圧感はすごくて、恐怖心は高まるばかりだけれど、困っていた私を助けてくれた。
愛里ちゃんのことは聞いた話だったから、あまり信じることができずにいたのだけれど、今回こうして助けてくれて。
天地くんは怖そうに見えるだけで、本当は優しい人なんじゃないかと思った。
まだまだ信じられない自分がいるけれど。
クラスのみんなは、それぞれ会話に戻っているように見えていたけれど、ずっとこちらを気にしていたらしい。
ほんの少しだけれど、私と天地くんが言葉を交わしているのを見て、何事かとザワついていた。