一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
なんか、天地くんに悪いことしちゃったかな。
当の本人はなんとも思っていないような表情だったけれど、助けてくれただけのはずなのに疑われて、責められて。
すぐに違うんだと庇ってあげられたら違ったかもしれない。
でも、やっぱり怖いのは変わらなくて、ずっと足が震えてて、割って入ることができなかった。
ごめんなさい、天地くん。
「瑠莉!大丈夫!?アイツに何もされてない?ってか、謝りもしないで出てくとかどんな神経してんの!?」
まだ天地くんに対して怒りの感情が抑えきれていない友香ちゃん。
それも無理はない。
友香ちゃんは教室にいなくて、あの時間何があったのか知らないんだから。
「違うんだよ、友香ちゃん」
「違うって何?……もしかして天地くんに脅されてるの?」
友香ちゃんは噂に洗脳されてしまってる。
いや、私もその1人だから人のことは言えないんだけれど。
でも、この誤解はちゃんと正さないと。
友香ちゃんの問いかけに、私は大きく首を横に振る。
「天地くんはね、私を助けてくれたの」