一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
私がさらに話し始めたのは、愛里ちゃんとの出来事。
風で飛ばされてしまったプリントを拾ってくれたという天地くん。
その時は私も天地くんが人助けをしていたなんて信じられていなかったけれど、こうして今日天地くんに助けられて、今なら愛里ちゃんの言っていたことを信じられる。
本当に天地くんが怖い人で、誰かをいじめるような人だったとしたら、こんな人助けなんて優しいことはしないはず。
目に入ったとしても見て見ぬふりをするはずだ。
だから───
「もしかして天地くんって、本当は優しい人なんじゃないかな?」
思っていたことを口にした。
男の人みんな怖い。
でも、全員が悪い人ではないことくらいわかってる。
天地くんは見た目がちょっと怖いだけで、その悪い人の中には入らないのかもしれない。
「いや、まさか……瑠莉の言うことは信じたいけど、見たわけじゃないからまだそうは思えないかも。ほら、悪い噂しか聞かないし」
「そうだけど……」