一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



先生、絶対難しい問題を入れるつもりだ。


私たちのクラスの担任の先生は、優しく生徒想いで慕われている一方で、勉強に関してはとても厳しいと1年生の頃から有名だった。


難しい問題と言っても、基礎を組み合わせた応用問題で、授業でも触れているから解けないようなものではない。


ちゃんと理解をすれば解けるはずなんだけど……先生があんな不敵な笑みを浮かべるほどの問題だから、やっぱり難しい。


勉強すること自体は嫌いなわけじゃないけれど、得意なわけでもなく、気持ちはやっぱり憂鬱だ。



「本当、憂鬱……テストなんてなくなればいいのに」



生クリームが上に乗ったカフェラテをチューっと吸って深いため息を漏らす友香ちゃん。


私も友香ちゃんの前の席に座って、同じく生クリームにチョコソースを追加した抹茶ラテを飲みながら大きく頷いた。


これからはテスト勉強で忙しくなるからと、放課後一緒にカフェに来ている。


学校の最寄り駅の近くにある商業施設に入っているカフェなので、私たちと同じ制服を着た人たちがたくさんいた。


もう席がなくてテイクアウトしている人もいるくらい大盛況。


普段から人気ではあるけれど、テスト前に贅沢を……っていう考えは皆同じらしい。



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