一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「どうって?」
「ほら、あれから話しかけられてたりするのかなって。嫌なこととかされてない?」
私のことを心配して気にかけてくれるところとか、本当の私のお姉ちゃんのように思えてくる。
「うん、特に何もされてないよ?むしろ何も話してないかな……」
日直当番の時に私に声をかけてきて、手伝ってくれたことも嘘だったかのようにあれから天地くんとは全く関わりがない。
朝も遅刻ギリギリに登校してくるし、休み時間はいなくなるし、放課後も気づいたら帰ってしまっている。
まるで他の人と関わるのを避けているみたいに。
男の人が怖くて距離を取っている私とどこか似ている気がする。
「天地くん、人と関わるのが苦手なのかな?」
「天地が?……噂が本当は嘘で瑠莉のことを助けてくれた優しさが本当の天地だとしたらその考えも一理あるかもね」
あの一件があったおかげで、友香ちゃんも天地くんを見る目が変わったみたい。
多分あの場にいたクラスメイトも薄々感じているんじゃないかと私は思っている。
天地くんに話しかけに行く人はいないけれど、前ほどコソコソと噂話をしているのを聞くことが少なくなった気がするから。