一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
昨日はわからなくなって中断してしまっていた数学の問題集を開いて、続きから解いていく。
「うーん」
ちょうど少し難しい問題が並んでいるページで苦戦していた。
そうこうしているうちに、だんだんと人が減っていく図書室。
さらに静まり返った室内にドアの開く音が響く。
それは出入口の方からではなく、カウンターの奥にある図書準備室の方からだった。
「……っ!?」
気になって顔を上げると、予想外の人物に驚いて、一瞬息をするのを忘れていた。
なんでこんなところに天地くんが……
天地くんと図書室なんて全く無縁そうな場所なのに。
えっ、ちょっ……
天地くん、こっちの方へ向かって来てない?
図書室の出入口とは方向が90度も違う。
いや、この奥に本棚があるし、そっちに用事が?
いやいや、そもそも天地くんが読書している姿なんて想像がつかない。
「何してんの?」
「へっ?」
胸がざわついて、心を落ち着かせようとしている間もどんどんと天地くんは近づいてきて、しまいには声をかけられた。