一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「別に嫌ならいいけど」
口をつぐんでなかなか言葉を発さない私を見て、そう冷たく言い放つ。
天地くんの優しさも知ったけれど、この威圧感と雰囲気は男性恐怖症があるなしに関わらず怖くなる。
「いやっ、そんなわけじゃ……!」
それでも、天地くんに嫌な思いをさせてはいけないと、咄嗟に否定した。
すると天地くんの視線はゆっくり下の方へと移って言って……
「手、震えてんじゃん」
「これは……」
私の手の震えを指摘した。
ハッとして震えの酷い左手を右手で押さえる。
今更隠したってもう遅い。
天地くんにはバッチリ見られてしまっているから。
だからと言って理由を伝えることもできない。
あの出来事はあまり人には話したくない。
「ちょっとそのノートとシャーペン貸して」
ノートとシャーペン?
そう疑問に思ったけれど言われるがまま、机の上に広げっぱなしだったノートと転がっていたシャープペンシルを目の前にいる天地くんに差し出した。