一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
*天地くんじゃなくて琥珀くん
問題のテストはと言うと───
「まあまあ……かな?」
「そんなこと言って、全部平均点以上でしょ?」
「そうだけど本当に平均というかなんというか」
私の机の上に手を置き、体を前のめりにしながら問いただしてくる友香ちゃん。
その勢いに負けそうになりながら、何とか体を支えている私。
定期テストの答案が無事に全て手元に返され、今に至る。
今回のテストは特別良くもなく悪くもない、The普通な成績だった。
「友香ちゃんはどうだったの?」
「ふっ、もちろん5教科平均80点よ」
そう言ってドヤ顔をする友香ちゃん。
「え、めっちゃいいじゃん!」
私に対してあんな言い方をするから、てっきり今回はあまり良くなかったのかと思った。
そんな心配は必要なかったみたい。
本人はいつも平均くらいだと言うけれど、普段から成績が良い友香ちゃん。
さすがとしか言いようがない。
「親がさぁ、成績悪かったらバイト辞めさせるって言うから…本当大変だったよ」
毎日勉強三昧は辛すぎ……と全身の力が抜けてしまったかのように机の上に突っ伏した。
そんな友香ちゃんの背中を撫でて、頑張ったねと慰めた。
全力でテストに臨んでいた友香ちゃんの姿を見ていると、もっと自分も頑張らなければいけないと感じた。