零度の華 Ⅲ
___5年前…
色々と予期せぬことが重なり、目の前には警察の人間だらけで逃げ場もなく、捕まるしかなかった状況
そんな中、あたしは同じ年で警部として名が高かった鷹見に話を持ち掛けた
「提案だと?」
『あぁ。乗るか反るかはお前達警察だ。あくまで提案でしかない』
「その提案ってのは何だ?」
あたしは正夢となったこの状況で夢では自分が何を話していたかは霧のように靄がかかっているが、おそらく、いや、確実に夢であっても考え付いたことを鷹見に話す
すんなり捕まったとはいえ、往生際が悪いのだと分かる
『あたしを警察の"モノ"として使え』
「は?」
「てめぇ何を言ってやがる?」
あたしは鷹見と話しているのに、一緒に目の前にいた遠藤が入ってきた
入ってくる必要はないし、話をややこしくされるのも望んでいないが、話を進めた
『そのままの意味だ。あたしの情報収集能力と知識を全てお前達警察に使ってやると言っているんだ』
「ふざけるな!死刑が怖くて命乞いをしているだけだろ!!」
『どう足掻いたって死刑が確定していることは分かっている。別に命欲しさに言っているわけじゃねーよ。お前達だってあたしに聞きたいことが山ほどあるんだろ?死刑判決が下されるまでの間、あたしを試しに使ってみろよ。あたし以外にもこの世の中には犯罪者がごまんといる。あたしは、お前達警察に協力してやると言っているんだ』
「協力だと?今更、手のひらを返して犯罪を無くすってか?ふざけるのもいい加減にしろよ!犯罪者のいうことなんて聞くわけねーだろ」
『あたしはお前と話していない。鷹見と話しているんだ』
しっかりと鷹見の目を見るのと一緒で、鷹見もあたしの目をしっかり見ている