零度の華 Ⅲ
保都村の事を警察が調べても、あたしの嘘を覆す情報は集められないだろう
仕事をしたのも、開放されて月日は経っていない
たまたまの偶然だが、仕事で殺した人間の中に裏の奴がいて良かったと思った
過去の自分に礼を言いたいくらいだ
「何故、今話した。殺したのなら、そう言えば良かっただろ?隠しているような言い方をする必要は無い」
『……はぁ。、お前がしつこいからだろう?あたしは最初から"偶然で協力者はいない"と言っていたはずだ。さっきは少し匿っているような匂わせた喋り方をしたが、お前がそこまで言う根拠が知りたかったからだ』
正直、焦りを感じたよ
あたしの性格を分かってくれていたことで、牢屋《ここ》に入って、久々ドキドキさせられ楽しかった
鷹見は、全てを受け入れられないという表情だな
『信じられないって顔だな。別にあたしはどちらでもいいが、終わったことに時間を費す暇があるのであれば、調べればいい。そんなに時間に余裕があるのならな』
日々忙しい警察が時間を持て余してるとは思えない。
殺し屋零(ゼロ)が捕まったところで、全ての犯罪が無くなるわけではない
あたしの殺しが無くなることで明るみになる犯罪も出てくるから一層、忙しくなるだろう
鷹見は何も言えないのか、黙ったまま
保都村の事を調べようとしているのだろうか?
もっと情報提供をするべきだったか?
いや、これ以上、何を話せばいい?
自分の中で自問自答を繰り返していた時、やっと鷹見が口を開いた