零度の華 Ⅲ



「今日はこれで終わりだ」



『……は?』





あたしの間抜けな声に「何かと」いう表情の鷹見


いやいや、まさか本当にこれだけの為に来たのか?

スリルを味合わせて貰ったが、あたしの仕事がこれだけはつまらない



『本当にこれだけか?』



あたしは確認の為に聞いたが、勿論返ってくる言葉は予想通りで……


「あぁ、そうだ」

『本当にこれだけの為かよ…。まぁ、いいや、少し楽しかったから、礼にいい事教えてやるよ』



眉を動かした鷹見



『橘ヒロと仁霧沙也加という夫婦は知っているよな?』

「あぁ、お前が殺したんだろ?」

『そうだな。ソイツ等2人の赤ん坊が、今何処にいるか教えてやるよ』



鷹見が直ぐに口を開かないのは居場所が分からない為だと思う


知っていたのであれば2人の名前を出した時点で、望の名前が出てくる筈だからな



グッと鷹見に顔を寄せて微笑みかけながら、話しを始める



『子供の名前は望。梟組に預けてきた』



目を見開き驚きを見せた



何を思っているのだろう?

梟から鷹見に連絡が無いのは何故だ、と思っているのだろうか?

それとも、隠していることに怒りを感じた?


それよりも、あたしが何故赤ん坊を攫い梟に預けたのかを考えている?




________さぁ、何を言う?



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