零度の華 Ⅲ
その翌日、鷹見達は昨日の事が何事も無かったかのように、あたしに仕事を持ってくる
望の事は聞いても一切教えてくれない
居場所も経緯も教えたのに、あたしにはどういう状況になっているのか知る必要がない、と
酷い奴だ
まぁ、勝手に話し出したのはあたしの方だ
別に問題は無い
後々、調べるには容易いことだ
あたしは、鷹見から受けた仕事をこなす
最初の仕事は情報の確認から、提供という流れだったが、月日が経つに連れて仕事内容が変わっていった
殺人を犯した犯人探し、指名手配犯探し、そしてあたしが知っている犯罪者
仕事をこなしていくうちに、調べた情報の信用は得られたみたいだ
でなければ、最終的にあたしが知っている犯罪者を教えろなんて言わない
勿論、世間での犯罪が完全に無くなったわけではない
殺人が起きた場合、現行犯逮捕若しくは、近い内に犯人が捕まれば仕事はないが、情報を掴むことが出来ない時にあたしの手を借りているという感じだ
それも、人が人を殺す殺人事件限定で