零度の華 Ⅲ
死と生
この5年間の話を終える頃には、外はもう日が落ち始めていた
あたしの話が終わると亜紀は一言「成程」と、その場を終わらせた
『それだけか?』
「それだけ、とは?」
『他に何かあるだろ』
あれだけの話を簡単に一言で成程と終わらせられる内容ではない
もっと、他に言うことがあってもおかしくないのに、亜紀はたった一言で終わらせてしまった
そのことが不思議でしかない
突っ込み所は沢山あるはずなのに
だからと言って、質問攻めをされたい訳では無いが、それにしてもあっさりとしていて何か腑に落ちない
矛盾しながらも疑問が交差する
「他にですか?何も無いですよ。貴女が生きる為に、抗おうと足掻くする為に必要だったことなのでしょう?考えた末に行き着いた生きる術だと言うのであれば、私が兎や角言う筋合いはありませんし、過ぎてしまった事ですから何も言えません。でも、強いて言うのであれば……」
一度言葉をきり、あたしの目をしっかり捉えると言葉を続ける
「零(ゼロ)も落ちぶれましたね」
『は?』
その言葉に怒りを覚える