『お願いだから側にいて』~寂しいと言えない少女と孤独な救命医の出会い~
タタタッ。
ドンッ。

クルリと方向転換して駆け戻ってきた真理愛が、俺にぶつかって止まった。

「どうしたんだ?」
「うん、何でもない」

ギュッつと、俺の体にしがみつく真理愛。
俺も真理愛の背中をトントンと叩いてやった。

かわいいな。
強がりで、意地っ張りで、でも本当は泣き虫で寂しがり屋。
そんな真理愛が愛しくて、できることならこのまま持って帰りたい。

・・・どうかしているな、俺。

17歳の女子高生に手を出せば、ある意味犯罪だろう。
相手はまだ子供だ。
さすがの俺も、この年で人生終わらせたくはない。
今まで努力して培ってきたすべてを投げ出して、女子高生に人生かけようとまでは思わない。
ただ・・・あと4,5年真理愛が大人だったら、俺はこいつに恋をしていたもかもしれないな。
そのくらい、彼女に惹かれている俺がいる。

「少し話をしてもいい?」
「ああ」

俺の体を抱きしめたまま、真理愛はポツリポツリと話し出した。

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