Loves only you
⑰
「ねぇマーくん、マ-くんってば。」
その声に滝がハッとすると、そこにはプッと頬を膨らませながら自分を見ている姪の顔が。
「お、陽葵、どうした?そんな膨れ面して。」
「だって、さっきから呼んでるのに、マーくん、全然返事してくんないんだもん。」
「そうか、ゴメンゴメン。で、今度は何に乗る?」
「だから、ブランコのとこに行くって言ってるじゃん。もういい、陽葵ひとりで行く!」
そう言うと膨れ顔のまま、駆けだして行く陽葵。
「おい、そんな走ったら、転んじゃって危ないぞ。」
「平気、もう陽葵は子供じゃないもん。」
(いやいや、十分子供なんですけど・・・。)
心の中で5歳児にツッコみながら、やはり心配で、追いかけようとすると
「大丈夫よ、そんなに御付きの人みたいに、くっついて歩かなくても。過保護は禁物、慎也さんにもそう言われてるんだから。」
側のベンチから咲良の声がする。週末の公園、滝は咲良、陽葵母娘のお伴でここにいた。
「だけどな・・・。」
「いいから、見える範囲にさえいれば大丈夫だから。それより、今日はどうしたの?なんかボンヤリしてる時間が多いけど?」
「・・・。」
「疲れてるんなら、無理しないで、家で寝てればいいじゃない。」
「べ、別に疲れてなんかいねぇよ。疲れてたとしても、陽葵の顔を見れば、全部吹っ飛ぶ。」
そんなことを言いながら、滝は咲良の横に腰を下ろす。
「それにしても、兄貴はあんな可愛い盛りの娘を放り出して、いつまで単身赴任なんかしてるんだ?」
「仕方ないじゃない、仕事なんだから。」
「仕事と娘とどっちが大切なんだ?そのうち陽葵に顔、忘れられちまうぞ。」
「えっ?仕事の鬼と部下から陰口叩かれてるあんたがそれ言う?」
「なんで、それを知ってる?」
驚く滝に
「この前、友紀ちゃんから聞いた。」
いたずらっぽい表情で答える咲良。
「えっ?お前、杉浦に会ったのか?いつ?」
「この前の水曜。お昼に幼稚園の前でバッタリ会ってさ。その時はお互い時間なかったから、改めて待ち合わせて、一緒にお夕飯食べたんだ。」
「お前も杉浦も、そんなこと一言も俺に・・・。」
「そんなのいちいち、あんたに報告する義務ないでしょ?私も友紀ちゃんも。」
「・・・。」
「それでさ、もう1人、凄い人に会ってさ。誰だと思う?」
「わからん。」
「優美先生だよ。」
咲良の口から出たその名前に、滝は驚きの表情を浮かべる。
その声に滝がハッとすると、そこにはプッと頬を膨らませながら自分を見ている姪の顔が。
「お、陽葵、どうした?そんな膨れ面して。」
「だって、さっきから呼んでるのに、マーくん、全然返事してくんないんだもん。」
「そうか、ゴメンゴメン。で、今度は何に乗る?」
「だから、ブランコのとこに行くって言ってるじゃん。もういい、陽葵ひとりで行く!」
そう言うと膨れ顔のまま、駆けだして行く陽葵。
「おい、そんな走ったら、転んじゃって危ないぞ。」
「平気、もう陽葵は子供じゃないもん。」
(いやいや、十分子供なんですけど・・・。)
心の中で5歳児にツッコみながら、やはり心配で、追いかけようとすると
「大丈夫よ、そんなに御付きの人みたいに、くっついて歩かなくても。過保護は禁物、慎也さんにもそう言われてるんだから。」
側のベンチから咲良の声がする。週末の公園、滝は咲良、陽葵母娘のお伴でここにいた。
「だけどな・・・。」
「いいから、見える範囲にさえいれば大丈夫だから。それより、今日はどうしたの?なんかボンヤリしてる時間が多いけど?」
「・・・。」
「疲れてるんなら、無理しないで、家で寝てればいいじゃない。」
「べ、別に疲れてなんかいねぇよ。疲れてたとしても、陽葵の顔を見れば、全部吹っ飛ぶ。」
そんなことを言いながら、滝は咲良の横に腰を下ろす。
「それにしても、兄貴はあんな可愛い盛りの娘を放り出して、いつまで単身赴任なんかしてるんだ?」
「仕方ないじゃない、仕事なんだから。」
「仕事と娘とどっちが大切なんだ?そのうち陽葵に顔、忘れられちまうぞ。」
「えっ?仕事の鬼と部下から陰口叩かれてるあんたがそれ言う?」
「なんで、それを知ってる?」
驚く滝に
「この前、友紀ちゃんから聞いた。」
いたずらっぽい表情で答える咲良。
「えっ?お前、杉浦に会ったのか?いつ?」
「この前の水曜。お昼に幼稚園の前でバッタリ会ってさ。その時はお互い時間なかったから、改めて待ち合わせて、一緒にお夕飯食べたんだ。」
「お前も杉浦も、そんなこと一言も俺に・・・。」
「そんなのいちいち、あんたに報告する義務ないでしょ?私も友紀ちゃんも。」
「・・・。」
「それでさ、もう1人、凄い人に会ってさ。誰だと思う?」
「わからん。」
「優美先生だよ。」
咲良の口から出たその名前に、滝は驚きの表情を浮かべる。