Loves only you
「イヤだ、そんなのイヤだ。」
そう言って大きく首を横に振る彼に
「マ-くん、大人になるとね、ずっといつも一緒にいられる人は1人しかいなくなるの。だから先生はこの人と結婚するの。誰よりも大好きな人だから。」
「センセイ・・・。」
「今はまだわからないかもしれない。でも、いつか大人になれば、マーくんにもこの人とずっと一緒にいたいって思える人が必ず現れる。」
「本当に?」
「うん。マーくんは先生にウソついたことないよね。」
「うん!」
「だから先生もマ-くんにウソはつかないよ。いつかマーくんが、その大好きな人と一緒に先生に会いに来てくれるのを、楽しみに待ってるから。」
「わかった。だったらセンセイはボクのことぜったいに忘れないでね。」
「うんわかった。絶対に忘れない、約束するよ。」
目に涙を浮かべて、でも満面の笑みで、新婦はその男の子を抱きしめた。
「僕も約束するよ、マーくん。君の大好きな先生を、僕は必ず大切にして、幸せにするから。」
2人のやり取りを、優しい表情で見守っていた新郎も、そう言って彼の頭を撫でた。
「申し訳ありません、とんだご迷惑をお掛けしてしまって・・・。」
ここでようやく潮時と見た母親が、彼を新婦から引き取った。
「いえ・・・マ-くんから素敵な思い出をいただきました。ありがとうございました。」
新婦が頭を下げると、チャペルにはゲストからの万来の拍手が鳴り響く。その拍手を受けた母親は子供を抱き上げ、周囲に一礼すると、さすがに恥ずかしかったのか走るように会場を後にした・・・。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ここで友紀は目を覚ました。
(夢・・・?)
半身を起こし、周囲を見渡した友紀は、ようやく状況を把握した。今、夢に見たその場に、友紀は居合わせたわけではない。でも友紀は、この光景を何度見ただろう。
これは友紀の両親の結婚式でのワンシ-ン。プライベ-トビデオではなく、式場側が撮影したオフィシャルビデオで、よくぞトラブルと言ってもいいこの場面を撮影業者が撮り続けていたと思うが、カットしようかという式場側に対して、両親は絶対にノーカットで残して欲しいと言ったそうだ。
そして友紀も2歳年下の妹もこのシーンが大好きで、繰り返して何度も見ていた時期があった。それにしても
(なんで、急にこんな夢を・・・?)
という疑問が頭に浮かぶ。しかし、いくら考えても、その理由を思いつくことはなかった。
(そろそろ、起きなきゃ・・・。)
ふと時計に目をやった友紀は、慌ててベッドから身体を起こした。
そう言って大きく首を横に振る彼に
「マ-くん、大人になるとね、ずっといつも一緒にいられる人は1人しかいなくなるの。だから先生はこの人と結婚するの。誰よりも大好きな人だから。」
「センセイ・・・。」
「今はまだわからないかもしれない。でも、いつか大人になれば、マーくんにもこの人とずっと一緒にいたいって思える人が必ず現れる。」
「本当に?」
「うん。マーくんは先生にウソついたことないよね。」
「うん!」
「だから先生もマ-くんにウソはつかないよ。いつかマーくんが、その大好きな人と一緒に先生に会いに来てくれるのを、楽しみに待ってるから。」
「わかった。だったらセンセイはボクのことぜったいに忘れないでね。」
「うんわかった。絶対に忘れない、約束するよ。」
目に涙を浮かべて、でも満面の笑みで、新婦はその男の子を抱きしめた。
「僕も約束するよ、マーくん。君の大好きな先生を、僕は必ず大切にして、幸せにするから。」
2人のやり取りを、優しい表情で見守っていた新郎も、そう言って彼の頭を撫でた。
「申し訳ありません、とんだご迷惑をお掛けしてしまって・・・。」
ここでようやく潮時と見た母親が、彼を新婦から引き取った。
「いえ・・・マ-くんから素敵な思い出をいただきました。ありがとうございました。」
新婦が頭を下げると、チャペルにはゲストからの万来の拍手が鳴り響く。その拍手を受けた母親は子供を抱き上げ、周囲に一礼すると、さすがに恥ずかしかったのか走るように会場を後にした・・・。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ここで友紀は目を覚ました。
(夢・・・?)
半身を起こし、周囲を見渡した友紀は、ようやく状況を把握した。今、夢に見たその場に、友紀は居合わせたわけではない。でも友紀は、この光景を何度見ただろう。
これは友紀の両親の結婚式でのワンシ-ン。プライベ-トビデオではなく、式場側が撮影したオフィシャルビデオで、よくぞトラブルと言ってもいいこの場面を撮影業者が撮り続けていたと思うが、カットしようかという式場側に対して、両親は絶対にノーカットで残して欲しいと言ったそうだ。
そして友紀も2歳年下の妹もこのシーンが大好きで、繰り返して何度も見ていた時期があった。それにしても
(なんで、急にこんな夢を・・・?)
という疑問が頭に浮かぶ。しかし、いくら考えても、その理由を思いつくことはなかった。
(そろそろ、起きなきゃ・・・。)
ふと時計に目をやった友紀は、慌ててベッドから身体を起こした。