Loves only you
滝の言葉に、村田は少し考えるような仕種の後
「わかった。とりあえず、店舗開発室は生まれ変わったんだ。君たちはその先頭に立つぐらいのつもりでやってくれ。」
こう言って面談を締めようとした村田が、ふと思い立ったように
「ところで杉浦さん、まさかとは思うが、君は大丈夫なんだろうね?」
と友紀に尋ねて来た。一瞬、意味が分からず、戸惑っていると
「杉浦は私の見る限り、そんな女性じゃないと思います。それに室長、今のご質問はプライバシ-に関わります。不適切だと思いますが。」
滝が釘を刺すように言う。これにはいささか慌てたように
「いや、これは私としたことが、とんだ失言だった。杉浦さん、許してくれ。」
村田は頭を下げる。ここで友紀は、自分が不倫をしてないか聞かれたのだと、ようやく気付いた。
「いえ。では失礼します。」
さすがに腹が立ったが、グッと堪えて一礼すると、友紀は席を立った。
「なんなんすか?あのおっさん。」
部屋を出ると、漆原も吐き捨てるように言ったが、友紀は黙っていた。すると遅れて、滝が出て来たから
「次長。」
友紀は呼び止めた。
「なんだ?」
例によって、面倒臭そうに振り向いた滝に
「ありがとうございました。」
友紀は頭を下げた。
「なんだ、急に?」
訝し気な滝に
「さっき私を信頼していると、おっしゃっていただきました。」
「えっ?」
「嬉しかったです。」
友紀はそう言って、本当に嬉しそうに顔をほころばせた。
「俺のことも庇ってくださいましたよね、ありがとうございました。」
漆原にも頭を下げられ、やや焦った表情を浮かべた滝だったが、すぐその表情を消すと
「ああでも言わなきゃ、いつまで経っても、この不毛な面接が終わりそうもなかったからな。それだけのことだ。」
と言い捨てるように言うと、そそくさと2人から離れて行った。その姿をなんとも言えない気持ちで見送っている友紀の耳に
「あの人、ひょっとしたらツンデレの気があるのかなぁ・・・?」
漆原の声が入って来る。滝とツンデレという言葉が、あまりにも自分の中ではミスマッチで、友紀は思わず吹き出していた。
「わかった。とりあえず、店舗開発室は生まれ変わったんだ。君たちはその先頭に立つぐらいのつもりでやってくれ。」
こう言って面談を締めようとした村田が、ふと思い立ったように
「ところで杉浦さん、まさかとは思うが、君は大丈夫なんだろうね?」
と友紀に尋ねて来た。一瞬、意味が分からず、戸惑っていると
「杉浦は私の見る限り、そんな女性じゃないと思います。それに室長、今のご質問はプライバシ-に関わります。不適切だと思いますが。」
滝が釘を刺すように言う。これにはいささか慌てたように
「いや、これは私としたことが、とんだ失言だった。杉浦さん、許してくれ。」
村田は頭を下げる。ここで友紀は、自分が不倫をしてないか聞かれたのだと、ようやく気付いた。
「いえ。では失礼します。」
さすがに腹が立ったが、グッと堪えて一礼すると、友紀は席を立った。
「なんなんすか?あのおっさん。」
部屋を出ると、漆原も吐き捨てるように言ったが、友紀は黙っていた。すると遅れて、滝が出て来たから
「次長。」
友紀は呼び止めた。
「なんだ?」
例によって、面倒臭そうに振り向いた滝に
「ありがとうございました。」
友紀は頭を下げた。
「なんだ、急に?」
訝し気な滝に
「さっき私を信頼していると、おっしゃっていただきました。」
「えっ?」
「嬉しかったです。」
友紀はそう言って、本当に嬉しそうに顔をほころばせた。
「俺のことも庇ってくださいましたよね、ありがとうございました。」
漆原にも頭を下げられ、やや焦った表情を浮かべた滝だったが、すぐその表情を消すと
「ああでも言わなきゃ、いつまで経っても、この不毛な面接が終わりそうもなかったからな。それだけのことだ。」
と言い捨てるように言うと、そそくさと2人から離れて行った。その姿をなんとも言えない気持ちで見送っている友紀の耳に
「あの人、ひょっとしたらツンデレの気があるのかなぁ・・・?」
漆原の声が入って来る。滝とツンデレという言葉が、あまりにも自分の中ではミスマッチで、友紀は思わず吹き出していた。