Loves only you
②
会は尚、盛り上がっていたが、友紀は早めに席を立った。明日から早速、高木の担当していた物件巡りがスタ-ト、いつもより早めに家を出なくてはならないからだった。
「漆原にも言ったけど、アイツが何をチェックしてるのか、あとで教えてちょうだい。どうせ、人の上げ足を取ろうとしてるんだろうけど、そうはさせないから。」
厳しい表情で言う高木に、友紀は頷いては見せたが、内心ため息をついていた。
翌朝、眠い目をこすりながら現地に到着。待ちあわせの時間にはまだ30分ほどあるので、どうやら一番乗りのようで、友紀はとりあえずホッと一安心。
待つこと10分ほどで漆原が登場。
「次長まだですか?」
「うん。」
「よかった。あの人より遅く着いたら、なに言われるかわからないと思ったから、結構必死だったんですよ。」
「やっぱり。私も同じ。」
考えることは同じだねと、2人は顔を見合わせて笑う。そして2人は厳しい(煩い?)新上司の到着を待つが、待ち合わせ時間になっても、一向に現れる気配がない。
「なんかいろいろ言ってましたけど、いきなり遅刻ですか。」
漆原は呆れた声を出すが、友紀はなんとなく嫌な予感がしていた。
「次長の携帯の番号って、知ってる?」
「プライベ-トのは知りませんけど、ビジネスのは前の次長が使ってたのを、そのまま引き継いでいるはずですよ。」
「そっか。」
漆原の言葉に頷いた友紀は、慌てて自分の携帯を取り出した。そして、コールすること2回
『滝だ。』
重々しい声が友紀の耳に響く。
「おはようございます、杉浦です。次長は今、どちらに・・・?」
『建物の中だ。』
「わ、わかりました。すぐに向かいます。」
嫌な予感が的中してしまい、焦りながら電話を切った友紀は
「次長、もう中にいるって。」
と、漆原に告げると同時に走り出した。
「えっ、マジすか?」
それを聞いて、漆原も慌てて後に続く。
「酷くないっすか、これ?先に着いてるなら着いてるって、一言言ってくれれば。別に俺達、遅刻したわけじゃないのに・・・。」
ボヤく漆原に
「とにかく急ごう。」
そう答えた友紀は建物の通用口に、飛び込んだ。
「漆原にも言ったけど、アイツが何をチェックしてるのか、あとで教えてちょうだい。どうせ、人の上げ足を取ろうとしてるんだろうけど、そうはさせないから。」
厳しい表情で言う高木に、友紀は頷いては見せたが、内心ため息をついていた。
翌朝、眠い目をこすりながら現地に到着。待ちあわせの時間にはまだ30分ほどあるので、どうやら一番乗りのようで、友紀はとりあえずホッと一安心。
待つこと10分ほどで漆原が登場。
「次長まだですか?」
「うん。」
「よかった。あの人より遅く着いたら、なに言われるかわからないと思ったから、結構必死だったんですよ。」
「やっぱり。私も同じ。」
考えることは同じだねと、2人は顔を見合わせて笑う。そして2人は厳しい(煩い?)新上司の到着を待つが、待ち合わせ時間になっても、一向に現れる気配がない。
「なんかいろいろ言ってましたけど、いきなり遅刻ですか。」
漆原は呆れた声を出すが、友紀はなんとなく嫌な予感がしていた。
「次長の携帯の番号って、知ってる?」
「プライベ-トのは知りませんけど、ビジネスのは前の次長が使ってたのを、そのまま引き継いでいるはずですよ。」
「そっか。」
漆原の言葉に頷いた友紀は、慌てて自分の携帯を取り出した。そして、コールすること2回
『滝だ。』
重々しい声が友紀の耳に響く。
「おはようございます、杉浦です。次長は今、どちらに・・・?」
『建物の中だ。』
「わ、わかりました。すぐに向かいます。」
嫌な予感が的中してしまい、焦りながら電話を切った友紀は
「次長、もう中にいるって。」
と、漆原に告げると同時に走り出した。
「えっ、マジすか?」
それを聞いて、漆原も慌てて後に続く。
「酷くないっすか、これ?先に着いてるなら着いてるって、一言言ってくれれば。別に俺達、遅刻したわけじゃないのに・・・。」
ボヤく漆原に
「とにかく急ごう。」
そう答えた友紀は建物の通用口に、飛び込んだ。